癒し

かなり昔の話です。ある番組に作詞家の松本隆が出演していました。数々のヒットソングを手がけた彼が、昔「はっぴーえんど」というグループに在籍していた事を、ご存知な方もいらっしゃるでしょう。その彼が番組の中で{癒し}についてこう語っていました。

『最近、{癒し}という言葉がブームになっていますが、ちょっと勘違いして使われている節が多いと思うんです。{癒し}というのは{心地よい}というのとは違うんです。聞いていて眠くなる音楽とか、気持ちの良い香りだとか、そんな風にしか使われていない。でも本当の{癒し}というのは、その人の子供の頃に経験したことや、心の根っこの部分に触れて理解する、してあげる、そういうことだと思うんです。』

現代人はストレス社会の中で疲れきって、今この瞬間だけそのストレスから開放されることに熱中し、体が気持ち良い時間・空間だけがもてはやされるのかもしれません。ずう~っと、ずう~っと心の奥底に閉じ込めてしまった自分自身も気がつかないような想い…。他人を許し、自分を許し、そんな新しい発見の中から{癒し}が生まれるのかもしれませんね。