方言

山根基世さん著書の「ことばほどおいしいものはない」の中に、東北のケセン語で書かれたマタイの福音書が紹介されており、母が仙台出身でキリスト教系女学校時代を送ったということもあって、誕生日のプレゼントにと取り寄せてみようと考えたことがあります。この本は医師でもある山浦玄嗣さんが、ローマ帝国時代のギリシャ語の原典から、キリストの本意をご自身の身近な言葉であるケセン語(岩手県大船渡地方の方言)に置き換えて翻訳したものです。

例えば「あなたたちは何を食べようか何を飲もうかと求めたり、また思い煩ってはならない。」が

「おめぇども、なにぃ食うべ、なにぃ飲むべど、かんげぁでなんねぁ.案じんなぁ」。(方言の表記方法はもっと違った専門的方法がとられています)となります。

子供の頃から身に沁み込んだ言葉というものは生活風土や習慣に基いていて、とても理解しやすいはず、というのがこの本を書くきっかけだったそうですが、そのご苦労は並大抵のものではなかったことでしょう。全編の朗読CDが3枚となって付属しているので、こちらも楽しめそうです。